「とんでもない潜在能力」とU₋17日本代表・森山監督も絶賛! 飛び級招集で輝きを放った15歳の点取り屋に飛躍の予感

「とんでもない潜在能力」とU₋17日本代表・森山監督も絶賛! 飛び級招集で輝きを放った15歳の点取り屋に飛躍の予感

2021.4.18 ・ 日本代表

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 今春から名古屋で新たな挑戦をスタートさせた15歳のストライカーが、自らの足でFWとしての価値を証明した。


 4月12日から4日間の日程で行なわれたU-17日本代表候補合宿。今秋のU-17ワールドカップは新型コロナウイルスの感染拡大によって中止になったが、選手たちのモチベーションは高い。再来年のU-20ワールドカップを目指すU-18日本代表への昇格、さらに上の代表への飛び級参戦、早期のJデビューを果たすきっかけを掴むなど、選手たちは明確な目標を持って今回の活動に参加した。


 さらなる飛躍を目指して再スタートを切った中で期待に応えたのが、ひと世代飛び級で招集された名古屋U-18のFW貴田遼河(1年)だ。


 昨季はU-15日本代表に招集された一方で、U-17日本代表のカテゴリーは初めての招集。年上の選手たちに臆したり、代表特有の雰囲気に飲まれてもおかしくなかったが、貴田は抜群のシュートセンスで存在感を発揮した。


 とりわけ、目立ったのが14日に行なわれた明海大とのトレーニングマッチ(45分×3本/1○0)だ。


 暴風雨でグラウンドコンディションが難しい状況下でのゲームにおいて、貴田は3本目から2トップの一角で出場。序盤から相手に主導権を握られ、良い位置でボールを受ける回数は限られてしまう。しかし、前線で辛抱強くプレーすると、訪れたチャンスを見逃さなかった。21分に狡猾な動きで相手DFの背後を取ると、MF梶浦勇輝(3年/FC東京U-18)のスルーパスに反応。

「梶くんがボールを持った瞬間に相手が周りにいなくて、自分は裏を見ている状況だったのでパスを要求してボールを受けた。1対1のチャンスを迎えたので緊張して危なかったけど、決められて良かったです」


 四隅を狙ったシュートはポストに当たって冷や汗をかいたが、ゴールに吸い込まれてチーム唯一の得点を挙げた。


 U-17日本代表の森山佳郎監督も貴田のプレーを高く評価。「ひと世代飛び級で招集した貴田は厳しいゲームの中で、最後に虎の子の1点を挙げてくれた」と、期待に応えたFWに賛辞を送った。

  抜群の決定力で結果を残した貴田。FC多摩ジュニアユース時代から将来を嘱望されており、FWとしての嗅覚は当時から群を抜いていた。昨冬のU-15高円宮杯でも4得点を挙げて得点王となり、チーム初のベスト4入りに貢献。複数のJクラブが獲得に名乗りを上げるなど、中学年代では全国的にも名の通った点取り屋だった。


では、なぜ彼は中学時代から評価を得ていたのか。それは、ゴールを奪う意思と技術がマッチしていたからだ。FC多摩の平林清志監督は言う。


「大好きなプレーは点を取ること。『自分のゴールで勝つ』と常に思っている。他の誰かが得点によって1-0で勝っても、彼から見れば面白くないんです。彼は(ゴールへの欲が)露骨に出て面白い」


とはいえ、全国大会でゴールを奪う作業は簡単ではない。得点感覚が発揮できるようになったのは中学3年生を迎えてから。中学2年生まではFWとして未完成で、右足のシュート以外は得点を奪う術を兼ね備えていなかった。


そんな貴田にとって、転機になったのが中学2年生の時だ。平林監督の元で苦手としていたヘディングの練習に取り組むと、空間把握能力が向上。頭でボールを捉える技術だけではなく、ボールの落下地点を読めるようになった。その結果、ゴールへの意識と技術がマッチ。平林監督から「得意の右足を生かすために、左足で打って相手に意識をさせたほうがいい」と助言を受けたことも重なり、ゴールを決める才能が一気に花開いた。


 ゴールを奪うスキルは一級品。しかし、できないプレーもまだ多い。今回の合宿では森山監督から課題のオフ・ザ・ボールの動きを教わり、中村憲剛ロールモデルコーチからも居残りで“止める”“蹴る”の基本技術をみっちり仕込まれた。名古屋U-18でレギュラーを獲得するためにも、今合宿での“教え”が財産になるのは間違いない。


「彼はとんでもない潜在能力を持っている選手」と評する森山監督。期待を込めて指揮官は貴田に発破をかける。


「彼もチームに帰って本気でレギュラーを取ってほしい。もうひとつ上の代表に飛び級するためには、自チームでレギュラーを掴まないといけない。本来であれば試合に出られていない状況で、U-17の代表に呼ぶのはおかしいはず。そのメッセージは代表スタッフからも発している」


 本人も代表での結果に満足せず、さらなる成長を見据えている。「U-16代表のチームメイトの中には、トップの練習参加や練習試合を経験した選手もいた。(橋本/東京V・1年)陸斗や(福井/鳥栖U-18・2年)太智君はすでにプロデビューしているので、自分も早くトップでプレーしたい気持ちがある。トップでプレーしている選手を見て、まだまだだなと思ったし、刺激を受けて意識もかなり高まった」とは貴田の言葉。代表で得た経験を持ち帰り、天性のゴールゲッターがさらなる飛躍を遂げられるか注目だ。


取材・文●松尾祐希(フリーライター)

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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