「ベルギーで3本の指に入る」STVVの守護神シュミット・ダニエルが絶賛した日本人選手は?【インタビュー/後編】

「ベルギーで3本の指に入る」STVVの守護神シュミット・ダニエルが絶賛した日本人選手は?【インタビュー/後編】

2021.4.18 ・ 日本代表

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 ベルギー・リーグのレギュラーシーズンが佳境を迎えるなか、サッカーダイジェストWebは、シント=トロイデン(STVV)の日本代表GKシュミット・ダニエルに独占インタビューを実施。その後編では、ベルギーでプレーする日本人選手や森保ジャパンについて語ってくれた。


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――チームメイトの鈴木優磨選手はゴール量産していますね。


「頼りになりますね。チームにとって必要なハードワークもできますし、チームの雰囲気とかもすごく見ていて、チームメイトの気持ちを動かすことができる。ゴール前にボールを上げれば何かしてくれるという期待感をみんなが持ってますし、ちゃんと結果も出している。今シーズンは、彼がいなかったらどうなっていただろうと思いますね」



 ――冬に加入した(イロンベ)ムボヨ選手の加入も大きい?


「そうですね。ムボヨはベルギーの代表歴も持つ実績のある選手で、それまでは、前線でボールを収める役は、優磨に頼っていた部分があったんですけど、彼もボールキープができるので、優磨があまりビルドアップに関わらなくてよくなり、ゴール前に集中できるようになった。そういう流れをムボヨが生み出してくれたのは間違いない。彼からのアシストで優磨が点を取ったり、その逆もあるので、ふたりの関係性は明らかに良いですね」


――同じく、冬に加入した橋岡大樹選手もアシストを連発しています。すっかり溶け込んでいる?


「橋岡は、キャラクター的にもすごくよく笑うんですよ。だから、みんなが積極的に話しかけるし、それに対して英語で返そうとしている。コミュニケーションを取ろうとしてる姿勢はみんな感じていると思うし、そういう意味で溶け込みが早かったですね」


――松原后選手や伊藤達哉選手は、なかなか出場機会に恵まれていません。


「出番が少ない中でも、サッカーに対して真面目でとにかく自分のレベルアップのために日々時間を費やしてるのは見ていて分かるし、出番が来た時に良いパフォーマンスをしてやるっていう気持ちも感じますね。練習では良いパフォーマンスを出しているし、いつ出番を与えても問題ないだろうなと監督も思ってると思います。2人ともプロ意識が高い」


――シント=トロイデンからステップアップした冨安健洋選手、遠藤航選手、鎌田大地選手は、それぞれ大活躍しています。刺激になる?


「すごくなりますね。シント=トロイデンからステップアップして、あれだけ3人とも活躍していると。大地は、シント=トロイデンで試合に出て、結果を出してからメンタリティが強気になれたとどこかのインタビューで言っていたのを見たことがあるんですけど、代表で一緒にやってても、そういう部分を感じますね。だから、ここで試合経験を積むことがどれだけ重要かというのを示してくれている3人だと思うので、僕のほうが年齢は上ですけど、後に続きたいという思いはあります」

 ――ベルギーの日本人選手の活躍をどう見てる?


「(伊東)純也はベルギーで3本の指に入るウイングで、こっちでの評価はすごく高くて、彼を止められるディフェンダーはなかなかいない。ヘンクの3トップは純也と(ポール)オヌアチュという大きい点取り屋とテオ・ボンゴンダというドリブラーなんですけど、その3人でかなりゴールを生み出していますね。代表戦で一緒にやって感じたんですが、純也はクロスがめちゃめちゃ上手いんですよ。ドリブルもできて、抜いてから上げるクロスの質がすごい良いので、そこにオヌアチュがいて、ちゃんとお互いを活かせる環境があるというのが、彼が良いシーズンを送れてる要因かなと」


――他のチームの日本人とプライベートで交流は?


「僕がプライベートで仲良くしてるのは、シャルルロワにいる森岡亮太ですね。同い年で彼も子供が2人いて同じような家族構成で、彼はベルギーで5年目なので色々聞いたりして、今はなかなか行けないですけど、ご飯に行ったり、彼の家に招いてもらったりとかして、けっこう密には連絡を取っています」


――シャルルロワでは、いまや中心選手です。


「リーグを代表する選手の一人ですね。こっちの試合を配信してるイレブンスポーツのオープニング映像にリーグの顔が7人ぐらい出てくるんですが、その中に入っていますかね。すっかりベルギーでの地位を確立しています。あと、彼はあまり言ってほしくないみたいですけど、本当に努力家で、自宅でどれだけトレーニングをしているのかというのを目の当たりにしているので、人間としてもサッカー選手としても尊敬できる部分が多い。彼と出会えたのは大きな財産になっています」

 ――オフの日はどう過ごしている?


「基本的には買い物に行ったり、街に出かけたりしています。僕も妻も大きい街に行っていい雰囲気の街を見るのが好きなので、オフがあったら積極的にそういう所でかけて、英気を養うという感じですね」


――お子さんもベルギーにはなれた?


「そうですね。上の子が今年に入ってからやっと幼稚園に行けるようになって、友達が何人かできたみたいです、下の子はまだ2歳なので、今年の9月にならないと入れないんですが。2人とも散歩とかしてても嬉しそうだし、周りに日本語を話す友達がいないのは可哀そうなんですが、幼稚園行き始めたら意外とすぐ適応したので、子供の適応力ってすごいなと感じました」

 ――日本代表についても聞かせてください。いろいろな事情もあったと思いますが、3月シリーズ(韓国戦・モンゴル戦)は招集されませんでした。


「Jリーグで結果を出してる選手たちが実力を示して、より競争が激しくなった印象ですね。キーパーは権ちゃん(権田修一)が2試合とも出ましたけど、安定しているし、改めて自分が競争に割って入りたいという気持ちは増しましたね、あとは自分が参加できないと分かっていても、悔しい気持ちになりましたし、次は代表活動に参加できるように、試合に出られるように頑張りたい」


――キーパーでは、権田選手のほか、ベテランの西川周作選手と初招集の前川薫也選手が選出されました。


「権ちゃんは清水に帰って救世主のようになっているし、西川選手もJリーグで良いパフォーマンス出し続けている。前川選手はあれだけのタレント集団の神戸で、レギュラーで出ていて、チームを救っているイメージがある。ビルドアップもすごく上手い。新しい選手が入ってきて、(川島)永嗣さんもフランスで試合に出ているし、キーパーの競争が激しくなっています。自分も競争を勝ち抜けるように、存在感を出せるようにしたいという思いは強いですね」

 ――欧州での経験が、代表の正GK争いにも活きるのでは?


「ベルギーでここが成長したという感覚はあまりないんですが、ただ、ここで試合に出続けていることだけが自信に繋がってるのは間違いない。それで何ができるかというのを、試合に出た時に示せるのが一番良いですね。ただ、試合に出るための競争もあるので、練習からどうにかして存在感を出して良いプレーをしなきゃいけない。みんな良いキーパーなので、勝てるように頑張りたい。シュートストップの部分がもうちょっと絶対的な実力がついてくればというのは感じています。日本のサッカーファンが求めているのは、ヨーロッパのトップレベルの試合に出場する日本人ゴールキーパーだと思う。僕はまだ30歳の手前ですけど、キーパーは30歳からだと思っているので、そこまで行けるチャンスはあると思うし、みんなが求めているキーパーになりたいなという思いはあります」


――最後に、今後の目標を聞かせてください。


「まず今シーズンの残り試合を、良いパフォーマンスで終えること。その後、6月に代表戦があるのでそこで試合に出ること、そしてその後のシーズンで試合に出続けて、来年のワールドカップに出場することですね。ワールドカップ出場がまだ決まっていないので、気が早いかもしれないですが、一番の目標はワールドカップのメンバーに入ることです。サッカー選手として、ワールドカップに出ることは、自分のキャリアにとってすごく大事だと思っています。だから、そこが一番の目標です」


取材・文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)



記事提供:サッカーダイジェストWEB

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