試合巧者スイスが決勝トーナメントへ。王国をも上回るグループG最多得点のセルビアは敗退【FIFA ワールドカップ 2022 グループG ハイライト】

FIFA ワールドカップ 2022 - グループG 第3節 セルビア - スイス

試合巧者スイスが決勝トーナメントへ。王国をも上回るグループG最多得点のセルビアは敗退【FIFA ワールドカップ 2022 グループG ハイライト】

2022.12.3 ・ 海外サッカー

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FIFA ワールドカップに出場する国の目標は勝つこと。ただ、その次に大切なのは、どのように負けるかである。32か国のうち勝って帰ることができるのは優勝チームと、3位になったチームの2か国だけ。参加国の大半をしめる30か国は負けて大会を去るのだからこそ、どのようなイメージを世界に残すのかには小さくない意義がある。



『負け方』にも趣きあり


日本代表で例えれば、FIFA ワールドカップ2002日韓の決勝トーナメント1回戦でトルコに負けた試合は、多くの人に消化不良感を残し、ファンも不完全燃焼のままに大会を終えることになった。逆に、FIFA ワールドカップ 2018ロシアの決勝トーナメント1回戦のベルギーとの試合は、日本人だけではなく、他の国の人たちにもインパクトを与えた。日本代表は胸を張ってロシアを去ることができた。


その意味で、セルビアは今大会でもっとも興味深いルーザー(敗者)の一つだった。2試合を終えて勝ち点1しか稼げていなかった彼らは、スイスに勝ちさえすれば、同時刻に行なわれるブラジル対カメルーンの結果次第では決勝トーナメント進出の可能性がある状態で迎えた。



日本でお馴染み、ピクシー率いるセルビアは攻撃的なチーム


かつて日本でも、選手や監督として活躍したストイコビッチが率いているセルビアは、リスクを冒しながら、ゴールをどん欲に狙いにいくチームだった。それでいて気持ちを前面に出す。ストイコビッチが名古屋グランパスで指揮していたときの守備の堅いチームとは違う、殴り合いを挑むチームだった。第2戦のカメルーンとの試合も3-3で終えている。


この試合でもスイス相手に立ち上がりから攻勢に行っていた。11分にはジヴコヴィッチが左ポスト直撃のミドルシュートを放ち、会場をわかせた。


ところが20分、試合を動かしたのはスイスだった。スイスの左サイドからの攻撃で、サイドバックのロドリゲスがかけあがる。セルビア陣もボックス内に4人が入ってこれを防ごうとしたが、ロドリゲスのクロスのスピードが速かったため、クリアが不十分に。これをつながれ、最後はシャチリに蹴りこまれて、先制点を許してしまった。


しかし、これでひるむようなセルビアではない。26分にはショートカウンターを発動。左サイドのダディッチからのクロスにミトロヴィッチが上手く頭であわせて、ゴール右隅に同点ゴールを叩き込む。さらに35分、またもショートカウンターからセルビアが勢いを持って前に出ていく。ダディッチのスルーパスは通らなかったが、相手のクリアが不十分だったボールをヴラホヴィッチが拾い、身体をひねりながらもゴール右隅ぎりぎりに収まるシュートを蹴りこみ、逆転に成功した。



守備のイメージが強いスイスも応戦


ただ、そのまま前半が終わるかに見えた44分、試合が再び動いた、スイスの速攻で、ソウがペナルティエリア手前、中央でボールを引き出し、右サイドへ。オーバーラップしたヴィドマーの折り返しを最後はエンボロに押し込まれてしまい、試合は2-2の同点に。このシーンでセルビアのペナルティエリアには、スイスの選手が4人いたのに対して、セルビアの選手は7人もいた。人数だけをみれば、セルビアが守り切っても不思議ではなかったが、ボールウォッチャーになるという悪癖をこの大事な場面で見せてしまった。


試合後に振り返えるとき、1点リードのままで試合を終えられず、同点弾を喫してしまった事実がセルビアには重くのしかかってしまった。



##H2:試合巧者スイスが本領発揮##


後半が始まって間もない47分、スイスのシャチリに、浮き球のボールをBOX内へと送り込まれる。左サイドからペナルティエリア内の中央までタイミングよく走りこんだバルガスがこのボールをエリア内中央方向へフリック。そこにタイミングよく顔を出したフロイラーによって、逆転ゴールを許すことになった。


ここから先は、両チームが2点ずつ決めた前半とは異なり、動きの少ない展開へ。それを可能にできるのが、試合巧者で、FIFAワールドカップで過去2大会続けて決勝トーナメントに勝ち進んでいるスイスの底力。結局、試合のペースをコントロールし、堅い守りを見せてきたスイスからゴールを奪えないまま、2-3でタイムアップ。スイスに3大会連続の決勝トーナメント進出を許すことになった



得点も、失点も多かったセルビア


今大会の優勝候補であるブラジルがいたグループGにおいて、最多となる5ゴールを決めたのは、なんとグループ最下位に終わったセルビアだった。彼らは前線にタレントをそろえ、現役時代にはエレガントなMFだったストイコビッチに率いられたチームらしく、攻撃での迫力を見せ、勇敢に戦った。ただ、攻撃に意識を向けた分だけ、守備での課題を露呈してしまい、3試合で8失点というのは、コスタリカにつぐワースト2位の記録となってしまった。


今大会は、日本を筆頭にボールを支配され、劣勢に立たされ時間の長かったチームが勝ち点をあげる傾向が強い。その意味で、セルビアは今大会のトレンドとは少し異なるチームとしなってしまった。


とはいえ、多くのゴールを生み出し、ゴールへ迫る迫力を見せた彼らは、サッカーの祭典でもあるFIFA ワールドカップでサッカーの醍醐味を表現してみせた。グループリーグという最下位という結果には落胆したものの、彼らが見せたサッカーには胸を張って母国に帰ることができるはずだ。(文・ミムラユウスケ)



FIFA ワールドカップ 2022 - グループG 第3節 セルビア 2-3 スイス


【得点者】

ルイス・スアレス(スイス)前半20分

アレクサンダル・ミトロビッチ(セルビア) 前半26分

ドゥシャン・ヴラホビッチ(セルビア) 前半35分

ブリール・エンボロ(スイス)前半44分

レモ・フロイラー(スイス)後半3分


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FIFAワールドカップ カタール2022が 11月20日開幕!22回目となるスポーツ界最大級の祭典は史上初めて中東、冬開催の大会となる。1試合の交代枠が5人、登録選手も各チーム26人とルール変更もあり、新たなFIFAワールドカップとして記憶される大会となりそうだ。日本はFIFAワールドカップ フランス 1998から7大会連続7度目の出場となる。2002、2010、2018の3大会でベスト16に進出している。初のベスト8以上という目標を掲げて挑む森保ジャパンだが、ドイツ、コスタリカ、スペインと同居するグループリーグは過去最高に厳しい組み合わせとなった。強豪相手に如何にして戦うのか注目が集まる。


◇グループステージ 組み分け

【グループA】カタール、 エクアドル、セネガル、オランダ

【グループB】イングランド、イラン、アメリカ、ウェールズ

【グループC】アルゼンチン、サウジアラビア、メキシコ、ポーランド

【グループD】フランス、オーストラリア、デンマーク、チュニジア

【グループE】スペイン、コスタリカ、ドイツ、日本

【グループF】ベルギー、カナダ、モロッコ、クロアチア

【グループG】ブラジル、セルビア、スイス、カメルーン

【グループH】ポルトガル、ガーナ、ウルグアイ、韓国

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